2025年末から2026年初頭にかけて、日本維新の会の地方議員らが関与したとされる「国保逃れ」疑惑が大きな注目を集めました。
この問題は、違法ではないものの「脱法的」と党自身が認定した保険料軽減スキームを巡るものです。
本記事では、
- 国保逃れとは何が問題なのか
- 具体的なスキームの仕組み
- 関与した人物
- 党の対応と今後の影響
について、分かりやすく解説します。
日本維新の会「国保逃れ」疑惑とは?
日本維新の会の「国保逃れ」疑惑とは、
地方議員が国民健康保険(国保)の高額な保険料負担を避けるため、一般社団法人に所属し、社会保険に加入していた問題です。
2025年12月、大阪府議会で自民党議員による告発をきっかけに問題が表面化し、党が全地方議員を対象に調査を開始しました。
その結果、
- 違法性はない
- しかし制度の趣旨を潜脱する「脱法的行為」
であるとして、党内処分に発展しました。
なぜ「国保逃れ」と批判されたのか
地方議員は高額な議員報酬を得ているため、
国民健康保険料が所得比例で非常に高額になりやすい立場にあります。
本件では、
- 議員報酬を実質的に保険料算定から外し
- 低額な役員報酬のみを所得として扱う
ことで、保険料を大幅に下げていた点が問題視されました。
問題となったスキームの仕組み【図解イメージ】
通常の国保ルート(高負担)
- 議員報酬
→ 所得が高額
→ 国保料が年数百万円になるケースも
国保逃れとされた脱法スキーム(低負担)
1️⃣ 議員が一般社団法人「栄響連盟」の理事に就任
↓
2️⃣ 理事報酬を 月1万1700円程度 に設定
↓
3️⃣ その報酬を基準に社会保険(協会けんぽ等)へ加入
↓
4️⃣ 保険料が大幅に軽減(年約100万円減との指摘)
↓
5️⃣ 代わりに法人へ 月3万4000円~5万円の会費 を支払う
この方法により、
国保より総支払額が安くなる構造が成立していました。
党はこの点を「制度の抜け穴を利用した脱法的行為」と判断しました。
関与したとされる主な人物【2026年1月時点】

兵庫県の地方議員4人(中間報告で認定)
- 兵庫県議:2人
- 2023年2月~2025年12月に理事就任
- 社会保険加入で国保料を回避
- 神戸市議:1人
- 同法人理事として関与
- 尼崎市議:1人
- 年間約100万円規模の負担軽減が問題視
※氏名は公表されていません。
大阪市議の2人(後に拡大)
佐竹璃保(大阪市淀川区選出)
- 自身は登録せず
- 複数議員に法人加入を勧誘した「勧誘役」として浮上
- 2026年1月14日に離党届提出
松田昌利(大阪市議)
- 実際に法人所属で国保逃れを実行
- 佐竹氏とともに関与が発覚
その他
- 東京元区議:1人
- 元維新所属
- 同様のスキームを利用
👉 計6人が処分対象となりました。
党の調査結果と中間報告の内容

2026年1月7日、日本維新の会は中間報告を公表しました。
主なポイント
- 関与確認:4人
- 法人を知っていた議員:49人
- 勧誘を受けた議員:19人
- 組織的関与:否定
- 評価:「違法ではないが脱法的」
中司宏幹事長は記者会見で謝罪し、
吉村洋文代表も「モラル違反」として厳正処分を示唆しました。
処分と党の対応
2026年1月15日、
関与した6人全員を除名処分とすることが決定されました。
党としては、
- 組織的関与はない
- しかし改革政党として看過できない
という姿勢を強調しています。
法人側の反論
問題の中心となった一般社団法人「栄響連盟」は、
- 公的制度向上を目的とした活動
- 疑惑は事実誤認
と主張し、批判に反論しています。
ただし、制度趣旨との乖離については説明不足との指摘もあります。
まとめ|改革政党イメージへの影響は大きい
日本維新の会の「国保逃れ」問題は、
違法性がなくても 国民感情やモラル面で強い反発 を招きました。
- 制度の抜け穴を使った脱法的手法
- 議員という立場での公平性の欠如
- 調査の十分性への疑問
などから、
「身を切る改革」を掲げてきた維新のイメージに大きな打撃を与えたのは間違いありません。
今後の最終報告や再発防止策が、党の信頼回復のカギとなりそうです。


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