アニメやゲームの世界で活躍する声優たちは、いまや芸能人と同等、あるいはそれ以上の注目を集める存在となっています。しかしその一方で、SNSやネット掲示板を介して誹謗中傷や脅迫の被害に遭うケースも後を絶ちません。
今回は、実際に警察沙汰になったり、深刻な精神的被害を受けたりした声優にまつわる4つのトラブル事例を紹介します。
目次
① 石川由依さん|ネット上での脅迫、放火予告まで…容疑者逮捕

『進撃の巨人』ミカサ役などで知られる石川由依さんは、2020年に深刻なネット脅迫被害に遭いました。
- 犯人は掲示板を通じて、石川さん本人だけでなく家族や所属事務所に対しても「危害を加える」と脅迫。
- また、アニメ関係者や制作会社に対し、放火を示唆するような書き込みも行っていました。
- 所属事務所が警察に被害届を提出した結果、2020年6月に容疑者が逮捕されています。
この事件は、声優個人の安全だけでなく、制作現場全体の脅威にもなり得ることを示した衝撃的な事例です。
② 水樹奈々さん|SNSで「ぶっ殺す」と脅迫投稿、ファンの男が逮捕

人気声優でありアーティストとしても活躍する水樹奈々さんも、2017年にファンからの脅迫を受けました。
- Twitterに「ぶっ殺す」などの殺害予告を投稿した男性ファンが、脅迫容疑で逮捕。
- 警察による取り調べで、ファン心理がエスカレートしたことが背景とされています。
この事件は、SNSの匿名性と「ファン心理」が暴走した典型例であり、声優とファンの距離感の難しさも浮き彫りにしました。
③ 竹達彩奈さん|4年間にも及ぶ執拗な嫌がらせと脅迫
『けいおん!』などで知られる竹達彩奈さんは、約4年間にわたって脅迫や嫌がらせを受けていたことが報じられています。
- 一部報道では、SNSやメールなど複数の手段を使って精神的に追い詰められたとされています。
- 加害者は特定されていないものの、被害は長期にわたり、声優という職業のリスクを象徴するケースです。
④ 合成音声とDoxxing|新たな脅迫手口の出現
近年では、声優の声をAIで再現した合成音声を悪用した嫌がらせも登場しています。
- 声優の声そっくりの音声で差別的な発言を行わせたり、**住所や電話番号などの個人情報を晒す「Doxxing(ドクシング)」**が行われています。
- これらの音声はSNSで拡散され、本人の名誉や精神的健康を著しく損なうケースが増えています。
このようなテクノロジーを悪用した脅迫は新たな社会課題となっており、法整備の必要性も指摘されています。
まとめ|声優業界を取り巻く脅迫の現実と対策の必要性
今回紹介した4つのケースからも分かるように、声優はその人気ゆえに、ネット上での脅迫や嫌がらせの標的になることが多いという現実があります。
とくにSNSの普及やAI技術の進化により、加害行為は巧妙化・悪質化しています。
今後求められる対応
- 事務所や関係者による迅速な通報と警察の連携
- SNS上での監視体制強化
- ファンとの健全な距離感の確保
- AIや音声技術に対する法的規制
声優たちが安心して活動できる環境づくりは、業界全体の課題であると言えるでしょう。
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