2025年春、楽天証券で大規模な不正アクセス・不正取引事件が発生し、多くの投資家に衝撃を与えました。
しかし実は、楽天証券ではこれまでにもさまざまなトラブルや不祥事が起きてきた歴史があります。
本記事では、過去から現在に至る楽天証券の主なトラブルやシステム障害、不正アクセスの事例を、分かりやすく時系列でまとめました。
1. システム障害の多発(2005年〜2009年)

楽天証券では、2005年から2009年にかけて繰り返し大規模なシステム障害が発生しており、金融庁からの行政処分や業務改善命令を受けています。
主なトラブル事例
- 2005年8月29日
大規模なシステム停止が発生。利用者がログインできず、取引ができない状態に。金融庁に対し運用管理の徹底を報告。 - 2005年10月15日
再び長時間のシステム停止が発生。 - 2005年11月16日
金融庁より「電子情報処理組織の管理が十分でない」として行政処分を受ける。 - 2006年3月10日
再発防止策が不十分として、東京証券取引所から戒告。 - 2007年6月8日
金融庁より2度目の業務改善命令。 - 2009年3月24日
システム運営管理不十分により、3度目の行政処分。
障害内容と影響
- ログインできない
- 注文が通らない
- 取引不能による機会損失・損害発生
特に投資家にとって、リアルタイムの取引ができないことは致命的であり、多くの苦情が寄せられました。
また、2006年にはWikipediaに掲載された障害情報を楽天証券が社内から削除しようとしたことで批判が集中し、後に謝罪するという事態にも発展しました。
2. 人為的ミスによるトラブル(2015年)
- 2015年6月3日
一部顧客に対し、誤って追加保証金(追証)を請求するトラブルが発生。
楽天証券はこの件について**「人為的ミス」**と認め、公式に謝罪を行いました。
誤請求されたユーザーの中には、取引を中断せざるを得なかった人も多く、システムの信頼性と運用体制への疑問が噴出しました。
3. グループ全体に広がるセキュリティ課題
楽天証券単体の問題にとどまらず、楽天グループ全体でもセキュリティに関する懸念が指摘されています。
主な事例
- 楽天モバイルや楽天市場でのアカウント乗っ取り
- 楽天ポイントの不正利用
エコシステムの利便性とリスク
楽天は「楽天エコシステム」と呼ばれる、1つのアカウントで複数サービスを利用できる統合型サービスを展開していますが、
この構造が利便性と引き換えにセキュリティリスクを高めていると専門家から指摘されています。
4. 【最新】2025年春の不正アクセス・不正取引事件
- 2025年春、史上最大級の不正アクセス事件が発覚しました。
発生した問題
- 顧客アカウントがフィッシング詐欺などにより乗っ取られる
- 保有株式が勝手に売却される
- 代わりに中国株が大量に購入されるといった被害が報告される
楽天証券側は被害状況の調査と補償対応を進めていますが、多くの投資家が「セキュリティ対策の甘さ」を非難しています。
まとめ:繰り返されるトラブルと根本的な課題
楽天証券はこれまでに
- 繰り返されるシステム障害
- 人為的なミス
- 不十分なセキュリティ対策
といった問題を何度も経験してきました。2025年の不正アクセス事件も、これらの課題が根本的に改善されていないことの表れともいえます。
楽天証券を利用するユーザーは、便利さと引き換えに、こうしたリスクを理解しながら、二段階認証の設定やログイン履歴の確認など、自己防衛意識を高めることが今後ますます重要になってくるでしょう。
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